現代の忙しい私たちは、いったいどんな本を読めばいいのだろうか？　または、どうやったら本が読めるだろうか？　『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』の著者が、具体的な方法と作品タイトルをもって贈る、やさしい読書…

性格のない人間・如月空子。彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。当初はペットに過ぎない存在だったが、…

作家として次々と物語を生み出す傍ら、コツコツと詠んできた句を集めた著者待望の第二句集。2010年～2023年の220句に加え、過去30年の句からお気に入りを選んだ「自選一年一句」と、俳句に興味を持っている「あなた…

【第37回小説すばる新人賞受賞作】13歳になるソフィアは町から一度も出たことがなく、うつむいて生きてきた。ある日、お向かいのミスター・ブラックの家に、風変わりな人物ナタリー・クローバーがやってきて――。孤…

【21世紀生まれ初受賞／第48回すばる文学賞受賞作】『王』と自称する男が捕まった時、七瀬は「あ」と言った。私は、その幽かな叫び声を隣で聞いた。これは、2007年生まれの若き著者が贈る、終わってる世界で生きて…

資本主義の進む近未来のアメリカで、刑務所の囚人たちに釈放をかけて殺し合わせる「スポーツ」が誕生した。配信される彼らの死闘に、多くの人々が熱狂する……。『フライデー・ブラック』の著者が、人種差別や消費社…

高校３年生の椎名和彦は、バイト漬けの日々を送っていた。暗い境遇にある中高生たちが集まる大阪・道頓堀の“グリ下”で半グレ集団「顔役」と出会い、やがて大麻入り錠剤を売り捌くように…。令和大阪の路上(ストリー…

お盆を迎え、集まった吉川家の面々。お盆の夜に島ならではの行事が執り行われ、忙しなく動く家族の声を、敬子は眠たげに聞いていた――「港たち」……など、吉川家のとある１年間をたどる５編を収録した、芥川賞受賞作…

乳がんの治療ですっかり体力を失ったキミコさん。体育会系編集者の叱咤激励によっていやいや運動を始めることに。まずは1日1000歩から。そして最難関・山登り（標高531メートル）へ…！　思わず元気をもらえる、北海…