時は平安。京に上った東国の長者が妻と荒れ果てた邸宅に宿を取った。数日たった夕方、男が縁にいると妻の叫び声が聞こえる。驚いた男が部屋に飛び込むと、暗闇から伸びた太い二本の腕が妻をつかんで奥の間に引きずりこむところだった。妻は鬼につかまっていたのだ……(「鬼に喰われた女」)。表題作ほか今昔物語からインスピレーションをえて人間に巣食う「闇」と「エロス」を大胆に描いた短編集。
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坂東眞砂子
ラ・ヴィタ・イタリアーナ
屍の聲
逢はなくもあやし
くちぬい
朱鳥の陵
快楽の封筒
花の埋葬 24の夢想曲
曼荼羅道
傀儡
眠る魚
真昼の心中