鮮やかに残る、幼い頃に聴いたピアノのメロディの記憶。だから、十三歳の秋に出会ったショパンを弾く一つ年上の男の子にひと目で惹かれてしまった菜生。五つ上の兄は、複雑な思いを抱えて彼女を見つめるが……。恋にときめき愛に傷つきながら成長する少女の物語。※イラストは収録されていません。