兜坂国の斎庭(後宮)は、神を招き、もてなす場。実体を持つ神々は豊穣と繁栄を招く半面、ひとたび荒ぶれば恐ろしい災厄を国にもたらす。綾芽は偶然、荒ぶる女神を鎮めてみせたことにより、王弟に斎庭の女官として取り立てられる。だが、それは国の存亡を揺るがす事件の幕開けに過ぎなかった……。