“しかと定めもつかぬ颶風が荒れ狂い、その風の吹くまま”右へ左へ流されてゆく若者たち。荒涼たる時代の空間をえがきだして、戦中の暗い時間の中に成長する魂の遍歴の典型をつくりだして、青春の詩と真実を生き生きと伝える自伝長篇完結篇(第三部・第四部)。